ストーリーSTORY
【上映作品】
『死んでもいい』
西村望『火の蛾』を原作に映画化。石井監督は本作のテーマについて「女と男の愛のありか(在り所)を三角関係という愛の形の中で探ろうとするものです」とコメント。純愛としての三角関係が招いた悲劇を描く。大竹しのぶが、2人の男から愛される人妻・名美を演じる。挿入歌に、ちあきなおみの「黄昏のビギン」が使用されている。第33回ギリシア「テッサロニキ国際映画祭」で最優秀監督賞を受賞。
『ヌードの夜』
ヤクザを殺した女・名美と、その女に惚れた何でも屋・紅次郎によるハードボイルド・サスペンス。石井隆監督が劇画家時代から描く名美のイメージにそっくりな余貴美子が、監督第2作『月下の蘭』(90)に続き出演。石井監督のデビュー作から出演する竹中直人が、紅次郎(実は村木)を演じる。サンダンス・フィルム・フェスティバル・イン・トーキョー’94グランプリを受賞。
『夜がまた来る』
ヤクザ組織に潜入した麻薬Gメンの夫が殺され、組織に復讐しようとする未亡人・名美と、その彼女を助けるヤクザの男・村木によるネオ・ノワール作品。名美役を映画デビュー間もない夏川結衣、村木役を、監督第2作『月下の蘭』(90)から石井作品の常連となる根津甚八が演じる。ほぼナイトシーン、長回しで展開する、名美と村木の物語の集大成的な作品。
『天使のはらわた 赤い閃光』
忌まわしい過去に悩まされ、男性恐怖症となった雑誌編集者・名美をヒロインにした、エロティック・サイコミステリー。泥酔しラブホテルのベッドで目が覚めると、隣には見知らぬ男の死体があった…。現実と妄想に翻弄される名美を川上麻衣子、その相手役となるフリーライターの村木役を、同年に公開された『夜がまた来る』と同じ根津甚八が演じている。